今年3月に九州保健福祉大学薬学部の高村教授らにより「バイタルサイン」に関する講演会を行いましたが、講演会後のアンケートで実際にバイタルサインチェックの手技を学びたいという薬剤師が多数いたため、再度高村教授らにお願いし、簡単な講義とバイタルサインチェックの実習を行うことになりました。
実習当日は日曜日でしたが、なんと九州保健福祉大学のオープンキャンパスの日でもあり、オープンキャンパスに参加している学生が大勢いました。キャンパスの大学生を見るだけで「若いなぁ。」とため息が出てしまいましたが、実習前にオープンキャンパスに参加しキャンパスをまわる内に若返った気分になりました。
まず、実習では高村先生らに講義を行って貰いました。薬剤師にとってバイタルサインチェックをどのように活用すべきなのかを深く考えさせられました。
そしていよいよ実技の開始。まずはペアを組んで聴診器と水銀の血圧計(!!)でお互いに血圧の測定。今までデジタルの血圧計は使用したことがあり、実際薬局で販売もしているのですが、原理など全く気にしたことはありませんでした。
…実際に血圧を測定しようとするとこれが以外に難しい。脈拍音を聞きながらカフと呼ばれる部分をふくらませるのですが、気がつくと腕を締め付けすぎて相手の腕の色が真っ白に…四苦八苦し何とか測定しましたが、その後デジタルを使って測定した値に比べると大きく離れていました。
よく病院などで同じ方法で看護師が血圧を測定していますが、さすがはプロだなと感じました。
血圧の測定が終わるとスタンの登場です。九州保健福祉大学で実習に使われている等身大の人形ですが、ただの人体模型ではありません。
彼(=スタン)は呼吸もするし、脈もあるのです。
彼にはコンピュータが接続されており、様々な症例を実際にシミュレーションすることが可能です。そこで救急救命が必要な状況を作り出し、気道挿管や心臓マッサージの様子を見学しました。また頻脈や徐脈などの状態を設定し、心電図を確認したりもしたした。
今回の実習でずっと手にしていたのが「聴診器」。心音や呼吸音などの確認だけでなく、血圧を測定する上でも欠かせない聴診器。医師が手にするこのツールは万能とは言えませんが、医師や看護師などにとってなくてはならないバイタルサインチェックのツールです。
今後在宅医療へのさらに積極的に関わっていく必要が薬局薬剤師にもあると思いますが、聴診器のようなツールを使い、副作用のモニタリングを行うなど薬剤師も積極的にバイタルサインチェックを行う必要が出てくるのではないだろうかと感じました。